ひとりごと 6 [H22.3.25 更新]
謝恩会での挨拶(2010年3月24日)
本日、皆さんがご卒業・ご修了の日を迎えらましたことを、食物栄養学科を代表して、お祝い申し上げます。そして、謝恩会にご招待いただいたことを、学科を代表して、お礼申し上げます。
卒業のお祝いとして、私から次の言葉を皆さんに贈ります。「良くなろうと思う心、そして新しいことへの挑戦、という2つの生活習慣」です。
今の日本は「そこそこでいい」という風潮がとても強い。しかし、どんな分野でも、現状維持や安定は「没落」に通じます。「これでいい」と思ったら、そこで終わりです。これは昨日新聞でみたユニクロの創始者の引用ですが、「良くなろうと思う心、新しいことへの挑戦」の重要性を指摘しています。みなさんも講義で習ったように、私たちの体のタンパク質は、約一ヶ月で全て入れ替わります。私たちの体は、一見、何も変わっていないように見えますが、新しいタンパク質を作り続け、古くなったタンパク質を分解していくことで動的平衡が保たれています。これは、社会でも同じで、成功している企業は新しいことへ挑戦し、変化することで生き残っています。しかし、それを怠った企業は消滅していきます。
奈良女子大学は、本年度創立100周年を迎えましたが、今後も生き残っていくためには同じような志が必要です。一つの細胞が分裂して2つの細胞になる際、DNAは半分保存される複製をしますが、食物栄養学科の発展のためには、皆さんが社会で活躍していただくことが重要です。教員一同、みなさんの活躍を願っています。それが、奈良女子大学や食物栄養学科を新しく変化させる力になると、希望を持っています。さらに後輩のために、キャリア教育講演会や企業説明会に来学していただき、本学とのつながりを大切することを願っています。卒業生の一人としてそのような相互関係を持ち続けることが、みなさんと奈良女子大学、両方にとって重要であると思います。
社会で活躍する際、皆さんに求められる能力は、既に正解のはっきりした○×式の答えを記憶する能力ではなく、解決されていない新しい問題に対して、粘り強く科学的に考える能力です。さらに大切なことは、他の人と協調して、その問題解決に取り組むコミュニケーション能力です。これは多くの企業が新入社員に求める能力と同じですし、みなさんと奈良女子大学の関係にも当てはまります。実際、多くの企業はそのようなネットワークを大切にして、自身の発展に結びつけています。
以上、本日の謝恩会にあたり、「良くなろうと思う心、新しいことへの挑戦、という2つの心の生活習慣」を皆さんにお願いし、贈る言葉といたします。