平成20年度食物栄養学会公開講座プログラム


平成20年度食物栄養学科公開講座プログラム


日付 ・・・ 2008年8月23日(土)・30日(土)
場所 ・・・ 奈良女子大学生活環境学部 E261教室

【プログラム】

― 8月23日(土) ―

講義 1 「骨の健康」 塚本幾代(奈良女子大学生活環境学部教授)


 加齢とともに骨量は減少します。骨量減少は、骨折、骨粗鬆症等の疾患を誘引し、寝たきり、要介護の主要原因となっています。今回、この骨量減少のメカニズムとその予防について、生活習慣病の3つの発症要因、遺伝要因、外部要因、生活習慣要因(食生活)の観点から考えます。

講義 2 「小児期の肥満とメタボリックシンドローム」 久保田優(奈良女子大学生活環境学部教授、京都大学医学部臨床教授(小児科))


 小児肥満はグローバル化した社会問題であり、成人の「メタボリックシンドローム」へとつながる可能性があります。講演では、世界と日本の小児肥満の現状、奈良における我々の小児肥満調査、小児のメタボリックシンドロームの特徴と問題点、の3点につき概説します。

講義 3 「成人期のメタボリックシンドローム」 田中平三(甲子園大学学長、東京医科歯科大学名誉教授、前(独)国立健康・栄養研究所理事長)


 「メタボリックシンドロームとは何か」を分かりやすく解説します。また、その予防・治療方法で長続きできる具体的なものを説明します。平成20年4月から「特定検診と保健指導」が始まりましたので、その内容(栄養・食生活、運動など)について触れることにします。

― 8月30日(土) ―

講義 4 「脂肪肝の栄養療法」 沖田美佐子(奈良女子大学生活環境学部教授)


 肥満が引起す脂肪肝は健診受診者の半数にもみられます。脂肪肝はこれまで軽視されてきたが、なかには脂肪肝炎となっている場合もあり、放置すれば線維化が進み肝硬変にまで至る恐れがあります。脂肪肝の原因、予防と改善のための栄養成分や食生活等について述べます。

講義 5 「食品機能と生活習慣病の予防」 井上裕康(奈良女子大学生活環境学部教授)


 食事と運動は生活習慣病予防に重要です。その科学的根拠の解明は研究途上にあります。本講義では、我々の研究室で行っている赤ワインに含まれるポリフェノール・レスベラトロールに関する研究を例にして、その面白さ、難しさを紹介します。

講義 6 「減量に効果的な生活習慣改善法」 伊達ちぐさ(奈良女子大学生活環境学部教授)


 健康にとって望ましくない生活習慣であっても、長年かかって身についた習慣は簡単に改善できるものではありません。まず生活習慣改善効果を科学的に検証する方法を述べ、さらに様々な生活習慣病につながる肥満対策として、効果的な減量法の理論と実際を説明します。
 
 (共催 奈良女子大学食教育推進本部)