COX-2発現を抑制する食品機能性成分

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  COX-2 の発現を抑える自然物質には、赤ワイン・ピーナッツ・虎杖根(生薬:タデ科のイタドリの根茎)に含まれるレスベラトロール、マンゴスチンに含まれるγ-マンゴスチン、プロポリスの成分であるクリシン、パセリ・シソの葉・カモミールに含まれるアピジェニン、ビールのホップの成分であるフムロンなどもあることが分かってきた。このうちクリシンとアピジェニンに関しては、PPARγのアゴニストであることが発見されている。よってCOX-2 の発現を抑制する物質とPPAR γのアゴニストは相関があることが考えられる。これらのポリフェノールによるPPAR α、γの活性化実験を行ったところ、構造的観点から見ると、フラボンとそれにレスベラトロールと類似した形で3つのOH 基が付加しているアピジェニンでは、アピジェニンの方が活性が高く、アピジェニンにさらに1つO H 基が増えたルテオリンでは、弱いながら若干の活性が見られた。やはりレスベラトロールとアピジェニンが相対的に強い活性化を見せていたので、これらのOH基の位置がPPAR の活性化に都合がよいことが考えられる。またシークワーサーに含まれ、フラボンに多くのメトキシ基が付加した形であるノビレチンNobiletin とタンジェレチンは、糖尿病に良いことが知られており、これらもPPARγのリガンドではないかと予想される。

Resveratrol [レスベラトロール]


 → 詳しくは 「Resveratrol Oligomer」に記載

論文

γ-Mangostin [γ-マンゴスチン]


  γ-マンゴスチンはマンゴスチン[mangosteen, 学名:Garcinia mangostana]の果皮に含まれるキサントンで、キサントンはポリフェノールの一種である。非常に抗酸化作用が強く、東南アジアの伝統医学では長い間、皮膚感染症や傷、下痢の治療に用いられてきた。

論文

Chrysin [クリシン]


 ミツバチが植物の芽などから樹脂を採集し、自分の唾液と混ぜて作るプロポリスに含まれる。

論文

Apigenin [アピゲニン]


 パセリ葉中にアピインとして存在し、また遊離してダリアなどの黄色や白色の花の花弁に含まれる。

Humulon [フムロン]


 クワ科の多年生の植物であるビールホップに含まれる成分。